
アメリカで交通事故に遭ってしまったら……考えただけでもおそろしいですよね
実際にアメリカでは本当に、本当に、事故をよくみかけます。
巻き込まれそうになってすんでのところでかわした、なんてこともあります
私は以前、サンフランシスコで”ドライバーガイド”という職についていて、
10年間で実に9回(プライベートのも入れて)の事故に遭いました。
ほとんどの事故は”もらい事故”だったのですが、これはアメリカには危険ドライバーが多い、
ということに起因していると思います
信号が青でもすぐに渡ってはいけない、ですとか(信号無視が多いから)
フリーウエイ(高速道路)では常に100㎞以上のスピードで走行しているので
急には止まれないので玉突き事故が多い、とか
アメリカならではの事故をいっぱい見てきました。
特にフリーウエイは道路の状態が非常に悪いので雨の日など事故が多発します
では実際に事故に遭遇してしまったらどうすればいいのか、以下を参考にしてみてください
まずは安全を確保して車を動かす
事故に遭った後、自分自身が無事で、車が動かせる状態でしたら路肩に車を動かします
二次的事故を防ぐためです
その後、車を降りて(運転席のある左側は通常車道ですので気をつけて車から降りてください)
情報の交換をします

- 相手の免許証の写真を撮る(裏表とる)
- 保険会社の情報を交換する(写真を撮る)
- 目撃者(witness)を探す
- 事故車の写真を撮る
- 自分の保険会社に電話をかける
1.免許証の写真を撮る(裏表とる)
免許証の裏側にも情報が書かれているので必ず両面写真を撮ってください
2.保険会社の情報を交換する(写真を撮る)
保険会社のカードや保険内容の情報を交換する
3.目撃者(witness)を探して情報をもらう
事故について第三者の証言は保険会社も訴訟の際の弁護士にとっても重要になりますのでできれば二人ぐらい探したほうがいいです
日本では珍しいですが事故の目撃者はわりとその場にいる人がなってくれることがあります(自分からwitnessに名乗りを上げてくれる人もいます)必ず電話番号を交換しておきましょう
4.事故の車(自分のも他の車も)、周りの状態を写真に収める ナンバープレートの写真も必ず撮ります
5.自分の保険会社に電話する
相手との情報交換が終わったら自分の保険会社に電話をしてすべての情報を伝える
この時相手の保険会社の連絡先も伝えて保険会社間で交渉してもらうようにします
詳しい事故状況は後日、双方の保険会社から電話がかかってきて報告することになります
英語で説明するのが不安な人は通訳が必要です、と言えば電話での3者通話にしてくれます
相手との交渉はできるだけ保険会社間でやってもらうようにします
自分に過失がない場合相手の保険を使って治療費や修理費を出してもらうのが当然、と思いがちですが
その査定は双方の保険会社がすることで保険内容によってもカバーされる額は変わってきます
- 治療費
- 修理費(代車用のレンタカー代)
- 器物破損の修理費
など、詳しいことは自分の保険会社に相談しましょう
その他の注意点を下に書き出してみます
911に連絡するか否か

ケガ人がいる、とか車が大破している、あるいは動かせないという場合は
火災の可能性がありますので車から離れて911に電話をしましょう
消防車が真っ先に来ますが必要な場合は救急車も同時に手配できます
警察は車が動かせる状態でケガ人がいない場合はほとんど現場に来ません
(しかし、あとで警察や被害額によってはDMV(陸運局)に報告する義務はあります)
フリーウエイ(高速道路)での事故はほとんどの場合車が動かせないほど壊れていますので
911に電話をしたら、CHP(ハイウエイパトロール)とレッカー車(Towing truck)が駆けつけます
Accident Packageを用意しておく
これは会社の車には必ず携帯してありますが、
事故をおこしたら必要な相手の情報を収集するためのフォームです
一般の人もこのパッケージを用意しておくといいと思います
事故直後は皆慌てているのでどのような情報が必要なのかつい聞き忘れてしまいますので
このフォームに従って情報を集めると必要な情報が効率的に集められる、というものです
交渉を保険会社に任せる理由
会社の車の場合は会社が保険会社との交渉をやってくれますが
自分の車の場合、自分で保険会社と交渉するのはかなりの労力が必要になります
たとえば、むち打ち症になり通院費用が全額出るのか、とか
後々の鍼灸師の費用もでるのか、回数は何回通院まではカバーされるのかとか
車の修理費は出るけどレンタカー(代車)の費用は出ない、
レンタカー代は出るけどの代車の保険代までは出ないとか
保険内容によってメチャクチャ細かくなります
一番恐ろしいのが”ある日突然訴えられる”というパターンです
私が以前事故を起こした時、車の全損費用と治療費が少なすぎる、と相手の保険会社から直接私自身が訴えられたことがあります。私は保険会社にお任せでしたのでまさに”寝耳に水”でした。早速保険会社に連絡を取ったところ、保険会社から弁護士を手配していただき、一応相手の弁護士との四者面談には行きましたが全て弁護士同士で解決していただきました
事故は精神的苦痛を伴う

身体的に無事で車も修理できたとしても、
交通事故は相当な精神的ダメージを受けます
ましてや、治療が長引く、治療費が全額出るのか不安、
車の修理費が全額保険でカバーされるのかわからない、
修理期間中はレンタカーを利用するとしてその費用は保険でカバーされるのか
ほかにも実際に自分の保険を使ってカバーした場合、翌年からの保険代は相当上がります
さらにはケガのため仕事を休まなければいけない(失業の恐れがある)
身体的に元通りになるのか心配
アメリカで治療費や入院費は本当に高額です
こういったことから相手の過失で精神的にも苦痛を被った場合、
”Pain and suffering” という精神的苦痛に対する慰謝料が支払われる場合があります
自分がどれだけ精神的にも苦痛を受けたか、という自己主張はするべきです
日本ではあまり自己主張しない、大げさにしないのが美徳とされますが
こちらは大変だ!大変だ!大変だーーー!!とアピールしない限り、
誰にもアナタの苦痛は届きません

謝ったらダメ、と言われるが
事故を起こしたら絶対に謝ったらダメ!とかよく聞きますが、
アメリカでは事故に限らず、簡単に”謝る”とか”過失を認める”ということをしません
”Sorry”というのは、”ごめんなさい”という意味ではなく、”お気の毒に”という意味です
なので ”I’m sorry” と言ったところでそれは”過失を認めた”という意味では決してありません
つまり、たとえ”I’m sorry”と言ったところでそれは過失を認めて謝罪していることにはならないのです
少し乱暴な言い方をすると、
”Sorryぐらいは誰でも言うし、それ自体には意味がない”ということです
事故が多いアメリカ、”備えあれば憂いマシ”
アメリカのほとんどの地域では車がないと生活できません
そして残念ながら、事故は多発します
日本の人にとって、外国で交通事故なんて本当に考えただけでも恐ろしいですよね
しかし、自分がいくら気を付けて安全運転をしていても事故は避けられない時があります
もし、アナタが事故に遭ったら、
深呼吸をして、
落ち着いて、
安全を確保して、
情報を収集して、
そして、精神的に図太く強くなってください!
備えがあれば、憂いはマシになります
自動車保険を選ぶ
アメリカにはたくさんの自動車保険の会社がありますが
選ぶ際は必ず2,3社見積りを取りましょう
年齢、車の台数、事故歴、車種によって金額は変ります
スポーツカーで、25歳未満だったりすると保険料は上がります
よく町でスポーツカーを見かけるとドライバーが意外と歳食ってた、ということがあります
これは保険代が高くて若い時に乗ることが出来ないかった夢のスポーツカーに
歳食ってから乗っているから、ということになります
55歳以上の方に保険料の割引
カリフォルニアには mature driver improvement programs という制度がDMVにあります
上のサイトに各地域の受講できるクラスのリストがあります
55歳以上の人は簡単なクラスを受けるだけで
自動車保険料が4年間割引になります
私はこのクラスをアダルトスクールで受けました
費用も20~30ドルで受けることが出来ます
おトクな制度ですので55歳以上の人は是非受けてみてはいかがでしょう?

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