ついにこのお題を書く時がきました。アメリカ三大不思議ちゃんの一つが”健康保険”です。
そもそも”国民皆保険”の国からきた日本人には「保険に入らない自由って何よ⁉」となりますよね。
健康保険なんて国民全員が平等に持ってて『百利あって一害なし』と私は思うのですが。

- 病気、けがをして初めて知る医療費のバカ高いこと
- アメリカの保険の仕組みは非常に複雑!
- 日本とアメリカの健康保険のちがい
- 大きな会社で加入する保険は内容も充実している
- Covered California(オバマケア)はそれ以外の人の保険
- 保険に入らない人は罰金
- 2021年度のCovered California は12月15日が締め切り
- かかりつけ医を決める(HMO)と決めなくていい(PPO)
- 一番複雑なのは保険でどれだけカバーされているかがわかりにくいこと
- Out-of-Pocketてなんや!?
- 一応、”Grievance”を送ってみる
- 医療費の交渉するのは大変根気がいる
- とにかく医療費と保険料は改善の必要アリアリです
病気、けがをして初めて知る医療費のバカ高いこと
実は私は数年前までアメリカの保険のしくみを全く知らず、
病気をして初めてべらぼうに高い医療費を払う羽目になり痛い目に遭いました。
あの請求書の高さを見たら、さすがに病気も悪化します
一度目が盲腸の手術の請求で約130万円、二度目の別の手術で約500万円の請求が来ました。
どちらも急に手術が必要だったので日本に帰国することもできず、
盲腸の時は日本の保険が適用出来たので自己負担0円でしたが
2回目の手術は結局100万円以上を分割で払うことになりました
ですのでどれだけ健康保険料が高くても絶対に加入するようにしています
でももし保険に入っていなかったら、と考えるだけでゾッとします
医療費が払えず家を売った、なんて話はザラにあります
みなさんは海外旅行に行く時海外旅行保険に加入すると思いますが、保険金の額に”1億円”と書かれていて、”こんなヤツおらんやろー”と、1千万円程度の保険に加入しようとするアナタ悪いこといいませんから、一番高いのに加入してください。アメリカで調子が悪くなってちょっと救急に、というだけですぐウン百万円!交通事故だとウン千万円の医療費を請求されます。付き添い付きで飛行機で日本に帰ろうとすると別途1千万円!ハイキングで遭難したらウン千万円!など、想像を絶する医療費ですので
アメリカの保険の仕組みは非常に複雑!
この保険の仕組みをしっかりと理解している人がいればぜひお目にかかりたいです。
”エージェント”、と言われる手続きを助けてくれる人がお手上げ、
というケースでも直接”Covered California”に電話したら入れた、というケースもあります。
毎年ルールも変わるし家族構成や家族の収入で
診てもらえる病院も毎月の保険料も実際に病院で支払う診察料も変わります。
もしエージェントの人から無理、と言われても自分で直接Covered Californiaに電話してみることをおススメします、加入できるチャンスはあります
日本とアメリカの健康保険のちがい
日本の国民健康保険は自分自身で毎月払うか、
毎月の給料からの引落しになっていることと思います。
アメリカは健康保険会社が営利目的で保険を販売しています
会社が保険会社と契約して社員に保険加入してもらいます
会社の規模やどこの保険会社と契約するか、で
保険内容は全く違ってきます。
大きな会社で加入する保険は内容も充実している
私は以前、Government(郡の仕事)に勤めていたので
保険に加入する人の数(分母)も多いので保険も大変充実していて
毎月の保険料も非常に安かったです。(2015年当時、家族二人で月$300程度)
病院の窓口で支払うCo-payも$15で、あとの検査も全額保険が支払ってくれました
救急外来も同じく$15ポッキリで入院も保険が全額負担してくれました
病院を利用する頻度の高い人は窓口での支払い(Co-pay)の安いプランを選び、
反対に頻度の少ない健康な人や若い人は毎月の保険料を抑える代わりに
病院での窓口支払いを高めにすることもできます。
とにかく大きい会社、グループに勤めるメリットはお給料が高くなくても
健康保険の中身がいいほうが値打ちがある、と考えるアメリカ人は多いです
Covered California(オバマケア)はそれ以外の人の保険
会社に保険があって加入できる人はいいのですが、
自営業の人や、中小企業などの規模でグループ保険に入る場合、
Covered California に加入します。
オバマケアは国民皆保険、といいますが、
実際は国民全員が加入しているわけではなく、
保険料も高いし、たとえ加入して保険料を払っていても
さらに高い医療費も払わなければならない、という事実があり
病気にならないだろう、大丈夫だろう、という人は加入しない人もいます
保険に入らない人は罰金
カリフォルニアではCovered California (オバマケア)に
加入しない人は罰金を取られます。
一時この罰金は廃止されましたがまた復活しました(コロコロ変わる)
2021年度のCovered California は12月15日が締め切り
但し1月15日までに加入した人は、2月1日から保険適用になります
- 個人情報を入力(性別、生年月日、郵便番号、確定申告の情報など)
- 見積もり=保険プランを提示【保険会社、月々保険料、Deducteble(免責料), Co-pay (窓口支払額)などの詳細をみてどのプランが自分に合っているかを選ぶ】
- 家族構成、家族の年収、連絡先を入力
申請書が通ったらCovered Californiaを通して、
選んだ保険会社に最初の月の保険料を支払います
手続きがわからない人は電話番号1-800-300-1506で問い合わせできます
締め切りが近づくと1時間ぐらい待たされてオルゴールを聞くことになります
かかりつけ医を決める(HMO)と決めなくていい(PPO)

ここからは保険会社との間で決める内容です
- プライマリドクターにまず最初に診てもらうプラン(HMO)割安
- いきなり外科医などのスペシャリストに診てもらえるプラン(PPO)割高
HMOは一旦かかりつけ医に診てもらってからその医者の紹介で専門医にかかる、
というステップを踏むことになります
このかかりつけ医で自分の既往症や病歴などの情報を管理してもらえるので
安心、と言えば安心ですね
一番複雑なのは保険でどれだけカバーされているかがわかりにくいこと
私の理解の範囲で簡単に言わせてもらうと、
月々の保険料を多く払うプランだとDeducteble(免責料)が減り、自己負担は少なくなる
月々保険料が少ないプランだとDeducteble (免責料)が増え、自己負担は多くなる
保険料の会社負担分が多く、グループ全体の人数が多いと
毎月の保険料は割安になってきます
但し、Deducteble(免責料)を全額払ったからといって安心はできません。
Out-of-Pocketというさらなる壁が立ちはだかり、お役御免になるにはまだまだです
日本の場合、収入に合わせて保険料が変わり、年齢で自己負担割合が1,2,3割と変わると理解しているのですが。
Out-of-Pocketてなんや!?

Covered Californiaにめでたく加入でき、
実際に医者へ行き、Co-payを払って診てもらい
色々検査もしてもらって一安心していると
突然郵送でバカ高い請求書が送られてきます。
なんじゃこりゃ?と保険会社に問い合わせると
「あー、これはOut-of-Pocketです」と言われます
つまり、ネットワーク外の医療を受けたから保険が効かないので自腹で払ってね
という意味なのです。
残念ながら治療を受ける前にこれはネットワーク外なのかどうかは
わかりません。(少なくとも私はわかりませんでした)
例えば手術した後 高ーい請求書が送られてきて、
この麻酔医はネットワークの医者じゃないから、と言われたことがありました。
手術受ける直前に麻酔医に、「アナタはネットワーク内の医者ですか?」と聞けますか?
ということです。たとえちがうからと言って、じゃあ手術辞めまーす、とは言えませんしね。
一応、”Grievance”を送ってみる
このような理不尽な請求書やあまりにも高い請求書が送られて来たら、
諦めずに”Grievance”不服申し立て書”みたいなものを送って抵抗してみましょう。
私の場合、5万ドルという手術費用と別にその後も麻酔代、痛み止め代とか色々請求書が次々と送られてきたので、片っ端からGrievanceを書いて送りまくりました。
数打ちゃ当たる、ダメ元でまけて、と電話もしました。
3割引きになるものや、分割払いOKや、Deductebleをはるかに超えていたので
結構値切ることに成功しました。
医療費の交渉するのは大変根気がいる
病み上がりに値段交渉するのは大変ですが
家族の力を借りてゆっくり根気強く交渉することをおススメします。
英語の勉強になる、ぐらいの強い気持ちで諦めないことです
とにかく医療費と保険料は改善の必要アリアリです
アメリカに住んでいて一番不安なこと、改善してほしいことが
医療費の高さです。
アメリカの医療技術は世界一、と言われますが値段も世界一です
誰もが安心して医療を受けられるようになる日がくることを心から祈ります
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