
先週末アメリカの雇用者数の統計が発表されました
失業率も5.8%に下がりましたが
黒人やラテン系の人口の雇用はまだまだ完全には回復していません
賃金も上昇しているそうです
これは給料の安い人がまだ職場に戻っていないのに高給の人はすでに戻っているから、だそうです
私の職場は前も書いたように
ラテン系の人が圧倒的に多いのですが
ほとんどのドライバーは復帰しています
これは会社が今後給料の補償をしませんよということを
発表したので家で待機していた人もボチボチ職場に戻らなければ
ということで戻ってきたからです
今回は私の職場経験をもとにアメリカ人の給料に対する考え方
について書きたいと思います

日当、ではなく時給計算

私の知る限り、
どんな仕事でもまずは時給(Hourly)で表示されています
それに対して日本では正社員の場合は月給で表示されています
私は月給換算がそもそものサービス残業の温床になっているのではないかと思います
月給→→→時間で割り切った仕事をしない→→→サービス残業が増える
私の場合がそうでした(昔は日本の会社も今よりゆるかったとは思いますが)
アメリカでは時給計算プラス5分でもオーバーすると
残業代が支払われます
給料明細をみると、小数点まで就労時間が表示されています
なので雇用側も時間になっても残っていたら
「早く帰れ!」と厳しく言います
時間外に職場で事故などに遭われては困るから、だそうです
従業員もオフィスワークの人は5分ぐらい前には帰る準備をして
時間になったら上司や同僚に挨拶もなしでサッサと帰ります
最低就労時間の保証をしてくれる
パートタイムの契約の場合は最初に決められた時間、
例えば一日6時間などの就労時間分の給料は保証してもらえます
たとえ実際は5時間で終わっても被雇用者側には6時間分の給料は支払われます
フルタイム(週40時間)契約の場合は日本と同じく
40時間より減る場合、つまり
早退する時は有給や病欠(Sick leave)の時間を使います
雇用主側も残業はさせないように徹底している

職場によりますが、残業時間も週16時間までしかできない、とか
決められているので出来るだけほかに働ける人を探したりして
残業させるのを避けようとします
また誰かほかの従業員を代わりに働かせる時も
急遽呼ばれた場合は時給以外にプラスαの賃金を支払わなければなりません
とにかく雇用主は残業はできるだけさせないようにします
週40時間以内で納まる仕事しか与えないし、
それ以上時間がかかるようではその人の”能力不足”と判断されます
従業員も”仕事”に対しては徹底的に賃金を要求する

先日私が就業時間の少し前に行ってバスの掃除をしていたら
一人の従業員が近づいてきて、
「掃除の時間は別で賃金もらえるんだろうね、
でないとおかしいよ」というので、
「掃除は申告したら別で賃金はもらえるよ」と
教えてあげたのですが、
そもそもまだ掃除もしていないうちから賃金のことを言い出すのも
どうかと思いましたし、
入社時に組合から配布される就業規則を読んでないんかぃ!
厚かましいなぁ、と思ったのですが
アメリカではこの従業員の言うことがごもっともで
私みたいに申告もしないで”サービス残業掃除”をするのは会社にとっては
かえって迷惑、のような感じになります
とにかく一分一秒でも就業時間を越えているからには
雇用主は賃金を支払わなければならないし、
被雇用者は就業時間を過ぎて職場に残ってはいけない
という風に考えておいたほうがいいです

日本で教わった仕事に対する向き合い方や姿勢

私のように昭和の時代に日本で15年以上(バイト期間も含めて)
働いた経験者からいうと(もはや化石ですが)
就業時間が終わっても自分の仕事が終わっていなければ少しぐらい(30分~1時間)
サービス残業をしてでも残った仕事は片付けるとか
人の仕事を手伝ってあげるなどフツーにしていました
上司も自分の仕事の時間を削ってでも
部下の面倒を見たり仕事を教えてあげていました
ところが、アメリカでは
- 就業時間を過ぎても仕事をする
- キリの良いところまで仕事を片付けてから帰る
- 人の仕事を手伝う
このようなことは、「致しません!」
とりあえず”全員が米倉涼子”と思っておいて間違いはないです
人に仕事を手伝ってもらったり教わったりすることは
能力不足、と判断されます
自分のことは自分で、あくまでも個人主義ですし
報酬は個々の能力に合わせてもらう、人の仕事を手伝うのであれば
それに見合った報酬はもらってしかるべき、なのです
日本で培った仕事に対する姿勢なんかアメリカでは
しらんがな!なんですよね……悲しい😢
慣れてしまうとこのほうが居心地がいい

私はアメリカに来て最初の10年は日系の会社で働いていました
その時は日本風のやり方がまだまだ通用して
頑張ってサービス残業をしたほうが評価される職場でした
ところがそのあと地域の公務員の仕事についたので
日本風のやり方は一切通用しなくなり、
忙しい職場でしたが集中して時間内に何が何でも終わらせる、という
働き方はむしろ清々しい仕事っぷりでした
就業時間中はきっちり8時間働きます
途中30分のランチタイムと午前と午後に15分ずつの休憩があります
これは法律で定められていてきっちり取ります
ランチタイムの30分は就業時間に含まれていませんが
休憩は時間に含まれていて絶対に取らなければいけません(健康のことを考慮して)
そして現在のドライバーの仕事は最低労働時間が保証されているので
サッサと仕事を片付けたほうがおトクで
ダラダラ仕事をしなくなります
ドライバーの場合は他にも運転時間や休憩時間など
細かく記録を残してチェックされます
むしろこのように法律で厳しく守られているほうが
最近は働きやすく感じるようになりました
やはりアメリカは多民族国家、
多様性がある反面、職場では全て”法律やルール”に従うしかありません
このほうが色々気を遣わずにすんで楽だなと感じるようになりました
上司の顔色をうかがったり、上司より先に帰りにくかったり、
そんなことを気にしなくてすみます
こんな風になってしまった私、日本に帰って通用するのでしょうか?
すごく心配なんですけど……by 浦島タロ子
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