
静岡県の川崎幼稚園で園児の車内置き去りで
3歳の女児が死亡するという痛ましい事件が起きました
アメリカでスクールバスドライバーという仕事に携わる一人として
子供が学校や幼稚園の送迎車内で置き去りにされるというニュースを
目にするたびに他人事ではない、という思いと
アメリカではこんな事件は頻繁に絶対に起きない何故日本で⁉という
怒りと残念な気持ちがこみあげてきます
今回はこの事件について私なりの意見を書きたいと思います

現場の声に耳を傾けることはとても重要
もしかするとこんな時日本では
私のような一ドライバーが意見を述べようとすると
”専門家でもないくせにシロウトが偉そうに口を挟むな!!”と
言われるかもしれません
けれども私がアメリカで学んだこと、それは
『シロウトだろうがペーペーだろうがドンドン意見を出し合って現場の声に耳を傾けて二度と同じ過ちが繰り返されないようにどうすればいいかみんなで真剣に考える』
という姿勢です
昨年も福岡県で同じような事件が起きて
たった一年でまた同じように送迎バスに園児が置き去りで亡くなるなんて
昨年の事件での教訓が全く活かされていないし
そのせいでこれから将来のある子供の命が失われるなんて
”結局誰も救われない”と思うのです
なのに今現在日本のYahooニュースをみても
記者会見した園長先生の態度が悪くて薄笑いしてた、とか
園長先生の経歴、とか
どうでもいいことばかりが記事になり
肝心の『送迎システム』はこれからどのように
改善していくべきか?が
あまり議論されていないのか記事をみかけません
どうかこの事件が風化されず、すぐに
法整備を整えて改善してほしいと思います
アメリカの徹底したルール 絶対に人任せにしない体制

私たちのスクールバス会社でも
毎回ミーティングのたびに子供の置き去りについての”注意喚起”はあります
では私たちの会社では実際にどのようにして対策をとっているのか?
毎日のルーティーンで私達全ドライバーが
実際にやっていることです
- バスのエンジンを切ると自動的に警報が鳴るので最後尾のボタンを押して警報を止める(これを2回繰り返すことで最後尾から運転席まで2往復して子供がいないか確認することができる)
- そのあとタブレットを使って再度バス最後尾のQRコードを読み取りに行き、署名して会社に送信する
- 車庫で降車する際も車両点検して、再度車内に何も残っていないか確認する
- 子供の乗車時に3分待っても来ない時はオフィスに報告して乗車しないことを確認してから次のお迎えに進む
- 子供の降車時は18歳以上のあらかじめ届け出をした保護者が出迎えるまで待つ(誘拐などがないよう)迎えがこない場合はオフィスへ連絡してから子供を学校へ戻します
上に書いたルーティーンのチェックを
タブレットを使用しながら一つ一つ確実に毎回行います
そうすることで人的ミスを最小限に抑えます
いつも最終的にタブレットからオフィスにデータを送信することで
オフィスは各ドライバーが全てのステップを終了してから
運転を開始・終了したことを確認します
もし、忘れていたり順序を飛ばしてると
タブレットも次のステップには進ませてくれませんし
オフィスからも無線で連絡が入ります
「何時にスタートしたの?」と必ず聞かれます
その他、月一回のミーティングでは子供の置き去りをしないことを徹底するように毎回注意喚起します
私達の会社ではトレーニングを受けている時から何度も何度も
「一度でも子供を降ろすのを忘れたらクビ!」と言われてきました(当たり前ですが)
なので最後の子供が降車した後も気になったら
バスを安全な場所に止めて再度車内をチェックします
”アメリカは結構いい加減”、と思われがちですが
一旦、法律やルールとして決められたことは徹底して遵守します
そしてルールを守らないとすぐにクビにされます💧💧💧
絶対に人任せにせず、すべて自分の責任になり
責任を全うしないと解雇されても文句は言えません
さらに怖いのは
”自分自身も会社も、両方が保護者から訴えられる可能性があります”
そしてアメリカではその賠償額は数百億円という
ありえない額になります💦
責任は全て自分にかかってきますし
折角苦労して取得した免許であったとしても
二度とドライバーの仕事に就くことはできないのです
幼稚園とスクールバス会社は切り離すべき


今回の園児置き去り事件のように
幼稚園側が送迎車も出してドライバーも雇うのは
少し無理があると思います
園児の送迎は切り離して別会社に任せる
または下請け会社に委託するなどしないと
いつか費用面でも人材確保の面でも行き詰まってくると思います
そのしわ寄せを被るのは小さな子供たち、なんて
かわいそうすぎるとは思いませんか?
日本の保育園の認可に問題はないのか?

10年ぐらい前から待機園児の問題がニュースでも
よく取り上げられていました
あの頃よく女性が社会復帰できない、
認可保育園にあぶれた園児は高い費用を払って
認可外の保育園へ通園するしかない、
母親が仕事を辞めて家で子育てするしかない、
などということが社会問題になりました
その後、認可保育園が急速に増えたように感じます
しかしその認可保育園も補助金目当てに
全く違った業種の会社までが認可保育園を経営するようになりました
保育園が増えることは仕事復帰したい親御さんにとっては
経済的にも非常に助かって良い面もあるのですが
その反面、子供を預かる環境がしっかり整った保育園なのか
その環境が維持し続けられる経営状態なのか
今回の事件をきっかけに行政にはもう一度見直していただく必要があると思います
補助金目当てに
実際には人材不足にもかかわらず、
送迎車は完備されている、など聞こえの良いうたい文句で
ずさんな経営をしている保育園がないのかどうか
今一度、行政も預ける親御さんも両方が
見直さなければいけない問題です
コロナ禍以降、子供の乗車マナーも最悪になった💦

話は少しそれますが
アメリカではこれまで密を避けるため
バス通学が敬遠されていたのが
約2年間のリモートスクールの期間を経て
今年から完全に通学が復活しました
ところが今度は車内や学校内での
子供のマナーが非常に悪くなっていることが問題視されています
私の担当しているルート(通学路)の子供たちの
マナーの悪さもエグイことになっています💦
私のバスには悪ガキが何人かいてその子たちのせいで
同乗している子供も大変迷惑しているのですが
アメリカの親御さんはシングルマザーだったり働いていたりで
簡単に乗車拒否できないのも現実です💧💧💧
- 座席にちゃんと座らない、走行中立ち上がって移動する
- 人を叩く、物を投げる、叫ぶ、ケンカしだす
- ポケモンカードの取引でもめる などなど
「○○君がF-word使う~!」など (私は知らんがな!)
私もオチオチ運転にも集中できない状態が続いています💦
時にはバスを停車させて、
「アンタら、ええ加減にせーよ!運転に集中させて!!!!!」など
午前と午後の送迎時、私までず~~~っと叫びまくっている状態です💦
決められた席には座らないわ、
食べ物を持ち込んでおなか減ったから食べたーい!!と叫ぶわ、(車内は飲食禁止です)
しまいには、
「F〇〇〇 You!!」と捨て台詞を吐いてバスを降りていく始末です
先生が注意しようが保護者が注意しようが
全く凝りないで毎回同じことの繰り返しです
そんなわけでアメリカにも一筋縄ではいかない
厄介な子供もいますが
バスの車内ではおとなしく安全に運転できるよう
毎日気を張って細心の注意を払いながら運転をしています
近頃こんな状態が毎日のように続くので
私もそろそろリタイアしたくなってきました(-_-;)

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