
周りはやれインフレだの時給が上がって大変だの言ってますが
私の周りのサンフランシスコ郊外ではそれほど
人手不足なや時給高騰などの実感はありませんでした
ところが最近新しいドライバー志望者(Trainee)がドンドン雇われて
私が入社した頃より待遇がものすごくよくなっています!

昔は免許が取れるまでは無給だった!

私が入社した頃(コロナ禍以前)は
免許を取得するまでのトレーニングの間は無給でした
最初に一週間(月~土まで6日間)みっちり7時から3時まで
学科のクラスがありました
学科試験をパスしたらお次は運転のトレーニング
トレーナーの先生と直接スケジュールを交渉して
最長一日6時間ドライビングのトレーニングを
受けることが出来ました(トレーナーさえOKだったら土曜も受講可)
それも全て無給でしたが、一日も早く免許が取りたかったので
毎日トレーナーと交渉して時間を作ってもらいました
私は当時無職だったので最短の3か月で免許を取得することが出来ました
(他の人は仕事をしながらなので取得まで6か月ほどかかる人もいました)
それもこれも免許取得まで無給だったからこそで
覚悟を決めて前職を辞めて短期間で一気に取り組むか、
仕事をしながら時間をかけて空いた時間にクラスを取るか
どちらかになってしまうのです
現在は免許取得までの期間も有給になり、志望者の時給は$16!

ところが現在はドライバー不足に加えて
有給にしないとドライバー志望の人も集まらないので
時給$16で給料をもらいながらトレーニングが受けられます
しかも教える側のトレーナーが掛け持ちで教えているので
なかなかクラスを受講することができません
その間も毎朝職場に来て
雑用やドライバーの補助の仕事をして給料が支払われます
トレーニング以外で実際に仕事をした分の時給は私達と同等です
ものすごい人件費だと思いますが
それもこれもドライバーの離職率がひどく
どんどんドライバーを育てなければならないから仕方ありません
しかしひとたび免許を取ると、すぐに辞めて他の会社に
逃げてしまう人もいます
しかし法律で、免許を取ったあとの従業員を会社に縛ることはできません
なんかどう考えても会社が損、損、損!

コロナ直後と学校が再開されてからの待遇は天と地の差!

コロナ直後の数か月はたとえ仕事がなくても
会社からは100%の給料が支払われていました
ところが半年ほど経ってボチボチ学校が開き始めた頃、
サンフランシスコをはじめあちこちのバス会社は
従業員を一斉に解雇しました
幸い私のバス会社は誰もクビにせず給料を払い続けてくれました
なのでクビになった多くのドライバーが他から流れて来て
うちの会社はその人たちを全部引き受けていました
ところが引き受ける条件として、”Seniority セニョリティはなくなる”
というものでした
これはどういうことを意味するかというと
”ペーペーに戻れ!”ということです
好きな路線は選べない、来るもの拒まずで仕事をしなければなりません
但し、給料は以前とほぼ同額を維持するされますが
そんな待遇で苦渋の決断をした、たくさんの不満を抱えたドライバーが
うちの会社に移ってきました
それからさらに半年、サンフランシスコの会社が他の会社に買収されて
学校再開に向けてドライバーが大量に必要になったので
セニョリティの低いペーペーの従業員はほぼ全員もとの会社に
戻って行きました!以前よりずっといい時給で!
さらに私の会社のトップのマネージャーや、メカニックまで
その会社に引き抜かれて行きました!
これが、アメリカです…….💧💧💧
あれからさらに半年…….うちはいまだにドライバー不足です
ドライバー不足解消の苦肉の策でボーナスが支給された!

そしてドライバーを維持するために
昨年から3回に分けて”$2500のボーナスを支給!”
という張り紙が貼られました
昨年9月、12月、今年3月の3回に分けてボーナスが支給されています
ところが9月と12月の$1,000はそこから税金が40%も引かれるという
半ば詐欺まがいの支給額でした
現在のアメリカの物価高にとってこの$600は
あっ、という間もなく消えてなくなりました💦
トレーニーは有給 既存ドライバーは厚遇な職場へと…….💧
現在とにかく新しい人材を募集して、
集まったトレーニー(ドライバー志望者)は有給となり、
(そうでもして新人ドライバーを育てないと人員不足なのです)
既存のドライバーはより高給で厚遇な職場へと移っていきます
私はというと…….
コテコテ日本人の私は高給よりも
一緒に働く同僚や上司の人間性のほうを重視するという
いかにも”日本人的発想”で同じ会社に勤めています
同じような考えを持つ同僚も多く、
”アメリカ人=より高給な職場へ” とは一概に言えないと思います
自分たちの権利を主張し続ける従業員に感謝!!
ところが先日私の同僚が
「First Aid(応急処置)やMedical Check(健康診断)更新の費用が自腹っておかしい!!」
とすごい剣幕でみんなに主張してきました
これはドライバーという仕事を維持するための経費を
自腹で負担するのはオカシイ!という意味でごもっともだと思います
私達ドライバーは免許の更新だけではなく、他にも様々な免許を維持するための
資格の更新をし続けなければなりません
その経費は会社が全て負担するべき、という意味なのです
そして彼はそれを労働組合の代表に直談判して
最終的にマネージャーにその費用を負担させることに成功したのです
そして後日私にも
「First Aid の費用はマネージャーに言えば払ってくれるから」と
言って来てくれました
実は私は自腹で払っていたのです💧

アメリカの職場ではとにかく主張して職場の環境を変える

このようにアメリカ人は労働組合をフルに活用して
少しでも仕事に関する費用があれば会社に負担させようとします
私はこういう時「$○○ぐらいまあいいか」と
といつも泣き寝入ってしまう根性が日本にいた頃から染みついています
でも確かにこの同僚の言う通り、
仕事に関する費用はビタ一文、私たちは出す必要はないと思います
費用の転換が正常なアメリカ
私は日本にいた頃、このような費用は
基本従業員が負担するべきだと思って全て自腹で支払っていました
しかし今思えばこのような正しい費用の請求が
会社の経費となりそれが消費者への価格に転嫁されて
消費者の負担が増え、それが会社側の利益となりそれが従業員へ還元されて
国民一人一人の収入が増えるべきだと思うのですが
今のデフレ一辺倒の日本ではそれが非常に困難になっています
なんでもかんでも値上げ反対!値上げ=悪、というシナリオが出来上がっています
私のようなバブルのど真ん中に
日本で学生からOLとして過ごしたパッパラパーな人間が
言うべきことではないのですが
日本も変わってほしいと思います
でないといつまでたっても給料は安いまま
老後の不安はぬぐい切れないままになっていると思います
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